家庭の薬膳 第6回 ~ 紫蘇

紫蘇の味と性質


紫蘇(しそ)の味は「辛く」、性質は「身体を温め」、「毒はない(*)」という分類です。
(*)ここでいう毒とは毒性が強という意味ではありません。

紫蘇の効能

紫蘇は下記のような様々な効能が期待できます。

■ 解毒作用(特にのど・咳)
■ 殺菌作用
■ アレルギーの軽減
■ 利尿作用
■ 貧血の予防
■ 関節炎の軽減
■ 抗がん作用
■ 慢性気管支炎の症状の軽減 6~7月にかけて旬を迎える紫蘇(しそ)は、中国南部が原産地と言われています(東南アジア原産という一説もあります)。
日本では、大葉(おおば)とも呼ばれ、古くから日本人に親しまれてきた食材です。

「紫蘇」という名は、昔、少年が海鮮物を食べてアレルギーを起こし顔が紫色になり生死をさまよっていた時に、この葉を与えると蘇生した、という逸話に由来していると言われています。

この話の真偽は定かではありませんが、たしかに紫蘇にはすぐれた働きをたくさん持つ食材なのです。

特におすすめなのが、アレルギーを起こしやすい海鮮物と一緒に食べることです。
刺激の強い蟹や牡蠣などをいただくときには、一緒に紫蘇の葉を多めに食べるといいでしょう。
中国の民間療法として、海鮮物を食べたときのじんましんの予防に、紫蘇を一緒に食べたりしています。

また、スーパーで販売されている魚などには、紫蘇の葉が敷いてあることが多いですよね。
それは紫蘇の葉に殺菌や解毒作用があるからなんです。
(大根や菊の花が、魚に添えられているのも同じ理由によります。)

ところで中国では、日本ほど海鮮食材を多く食べないということもあり、紫蘇の葉を生で食べることは、あまりありません。
食材や薬味というよりは漢方薬として、葉・茎・種を使うことが多いのです。
特に種にはビタミンB1が多く含まれているので、重宝されます。
日本では種を売っているところは見かけませんが、家庭菜園などで育てやすい植物ですから、葉だけでなく種を収穫してしてもいいでしょう。

ちなみに、パンちゃんの子供の頃、小さなけがをしたときには、紫蘇の葉を揉んで出た液を化膿しないように傷口につけてもらった記憶があるとか。
これも紫蘇の葉の殺菌作用を利用した民間療法のひとつですね。

その他、紫蘇の葉に含まれるカルシウムのはたらきから、生理中の女性に特有の不安感をやわらげるとのこと。
また、紫蘇の香りにはリラックスと精神安定の効果もあるそうです。

このように、紫蘇は本当にさまざまなはたらきを持つ食材ですので、ぜひ積極的に日常の料理に取り入れることをおすすめします。



このページの内容は、中国の昔からの民間療法や、年配の方から伝え聞いた話を基に構成しています。
病気やその他の疾患に、必ず効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。

16.May.2006