家庭の薬膳 第7回 ~ トマト

トマトの味と性質


漢方の考え方では、トマトの味は「酸っぱく」、性質は「身体を温めも冷やすこともない」という分類になります。

トマトの効能

トマトには以下の効能があるとされています。
■解毒作用
■解熱作用
■肝臓のはたらきをよくする
■血をきれいにする
■動脈硬化の予防
■成人病の予防
■胃腸病の予防
■疲労回復
■美肌効果
みずみずしいトマトは、夏の暑い時期にとても美味しいですよね。
内臓が弱るこの季節に、肝臓や血をきれいにするトマトは積極的に食べたい野菜です。

夏野菜の多くは身体の熱をとる働きがありますが、その中でトマトはもっとも穏やかな性質で、たくさん食べてもあまり身体を冷やすことはありません。
ただし、冷蔵庫で冷たくして食べると、胃腸の弱い人、冷え症の人にはよくありません。
できれば常温でいただきたいものです。

また中国の民間療法の中に、高血圧や、高血圧による眼底出血の予防にトマトを食べる、というのがあります。
その場合、毎朝1~2個を空腹時に最低15日間続けるそうです。

またトマトは今、リコピンという成分で注目されています。
リコピンはトマトの鮮やかな赤い色のもとになっている色素で、体内の活性酸素を消去するカロテノイドの一種です。
活性酸素は、体内に侵入した細菌などを死滅させる働きがありますが、増えすぎると正常な細胞や遺伝子までも傷つけてしまい、その細胞を癌化させることがわかっています。
リコピンは、カロテノイドの中で最も活性酸素の消去能力が強く、βカロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上の効果があるといわれています。
リコピンは脂溶性なので、油と一緒に調理すると吸収率がアップします。
熱に強いので、炒めたり煮込んでも成分が大きく減少する心配はありません。
少量で効率よくリコピンを摂取するなら、生のトマトより、トマトジュースやピューレー、ケチャップなどの加工品を利用すると良いでしょう。
1日に必要なリコピン(15mg)を摂るなら、トマトジュースならば1缶弱、トマトケチャップなら大さじ4杯強で十分です。

また、ミニトマトに含まれる栄養素は大玉トマトの約2倍だそうです。

トマトを使ったレシピはこちら


このページの内容は、中国の昔からの民間療法や、年配の方から伝え聞いた話を基に構成しています。
病気やその他の疾患に、必ず効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。

15.Jul.2006