家庭の薬膳 第32回 ~ 百合根

百合根の味と性質


薬膳の考え方では、百合根の味は「甘く」、性質は「温寒のどちらにも偏らない」もしくは「体を少し冷やす」かつ「毒がない」という分類になります。

百合根の効能


ユリの種類は1,000種以上に上りますが、百合根を食用にするのはコオニユリを主とする数種類のみです。
これらは東南アジア、もしくは中国の貴州省、広東省あたりが原産地といわれています。
百合根は中国では古くから、薬用として重宝されてきました。

百合根には下記のような効能があるとされています。

■咳・痰をしずめる
■肺を潤す
■イライラを防止する
■不眠を緩和し、良質な睡眠をもたらす

野生種のものや、赤、白などいくつか種類はありますが、主な効能は変わりません。
また民間療法としては、慢性の気管支炎や、肺結核、更年期障害の改善などにも用いられてきました。
もちろん、ほくほくとした食感とほんのりした甘みが美味しく、たんぱく質、でんぷん質、ビタミンCなどを豊富に含むため、食材として用いられてきたことはいうまでもありません。
百合根を食用にするのは、世界でも中国と日本だけだそうですが、日本での食材としての歴史は意外と短く、本格的に栽培が始まったのは江戸時代に入ってからだそうです。

百合根を使ったレシピはこちら


このページの内容は、中国の昔からの民間療法や、年配の方から伝え聞いた話を基に構成しています。
病気やその他の疾患に、必ず効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。

15.Feb.2011