家庭の薬膳 第1回 ~ 栗

栗の味と性質

 
薬膳の考え方では、栗の味は「塩辛く(*)」、性質は「身体を温め」「毒がない(*)」という分類になります。
(*)塩分がたくさん含まれていたり、毒性が強いという意味ではありません。

栗の効能

栗は健康によい食べ物で知られていますが、その効果については中国では古来より重要視されてきました。
栗には以下の効能があるとされています。

■体を温める
■ 血液の循環をよくする
■ 肌の調子をよくする
■ 腎臓虚弱の改善
■ 胃腸の調子をよくする
さらに、栗の実には食物繊維が豊富に含まれていますので、便秘改善する作用があり、血糖値の上昇を抑え糖尿病を予防する効果もあります。
脂質が少ないことも特徴で、脂肪・カロリーを気にすることなく、バランスよく含まれたビタミン、ミネラル補給することができます。
日本の栗なら6個ほどで、成人の一日のビタミン類の所要量を満たすことができます。

さて、日本ではなじみのない食べ方ですが、中国では昔から、朝晩に生のままの栗の実を食べて、腎臓のはたらきをよくする習慣がありました。
これは特に、老年性の頻尿や腎疾患、腎機能の低下による足腰の弱化に効くとされています。
ただし、生の栗は消化に悪いので、せいぜい1~2個をゆっくりよく噛んで食べないといけません。

また、栗の実を食用にするのはもちろんのこと、中国では皮や葉、木の幹の皮も漢方の生薬として用いられています。 例えば栗の葉には消炎作用があり、皮膚炎を抑える生薬としても利用されるなど、栗は捨てる箇所なく重宝されてきたのです。


このページの内容は、中国の昔からの民間療法や、年配の方から伝え聞いた話を基に構成しています。
病気やその他の疾患に、必ず効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。

01.Nov.2005