家庭の薬膳 第31回 ~ みかん

みかん皮と実の味と性質


薬膳の考え方では、みかんの皮の味は「塩辛く」、性質は「体を温める」という分類になります。


また、みかんの実の部分の味は「甘く」、性質は「体を温める」という分類です。

みかんの効能

日本で最もなじみのものは日本産の温州みかんですが、そのルーツは中国もしくはインドにさかのぼるといわれています。
同じミカン科のオレンジは、中国からヨーロッパに伝わり、地中海沿岸のスペインや南米がその代表的な産地です。
種類は地域により異なりますが、みかんの仲間は世界中で愛されている果物であることに間違いはありません。

中国では、みかんは実を食用にする他、皮や種、筋の部分まで漢方薬として用い、まさしく捨てるところがありません。
特に、皮の部分を乾燥させたものは「陳皮」と呼ばれ、漢方薬や香辛料として重宝されています。

みかん(特に皮)の効能は以下の通りです。

■胃痛・嘔吐の緩和
■胸やけの解消
■咳・痰をしずめる
■胃を丈夫にする

また筋の部分は、痰や咳をしずめる他、体内の気や血液のめぐりを良くするはたらきがあるため、実を食べるときにはあまりきれいに筋を取らないほうがいいでしょう。

この他にも、皮から採取される油はとても香りがよく、アロマテラピーにも用いられます。
柑橘の爽やかな香りは、冬に暗くなりがちな気分を明るくし、精神を落ち着かせてくれます。

ただ、冬に暖かい部屋でみかんを食べるのは、とても美味しいものですが、体を温める作用があるため、暑がりやのぼせやすい方は、実の部分を食べ過ぎないようにしましょう。
乾燥した寒い外気と、暖房の効いた室内との寒暖差なども加わり、のぼせの症状が強く出てしまうかもしれません。


このページの内容は、中国の昔からの民間療法や、年配の方から伝え聞いた話を基に構成しています。
病気やその他の疾患に、必ず効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。

01.Dec.2010